「第117 回日本精神神経学会学術総会」2021.9.19-21

「第117 回日本精神神経学会学術総会」(京都) 概要が明らかに!

6月から延期になっていた同学会が9月19日(日)~21日(火)に開催されることになった。その概要が学術総会会長の木下利彦氏、日本精神神経学会 理事長 久住一郎氏、日本精神神経学会 参与・前理事長 神庭重信氏らによってリリースされた(司会は第118 回学術総会会長の 川嵜弘詔氏)。

117回のモットーは革新と伝統が紡ぐ質の高い精神医学として、(1)精神科の脈々と紡がれる歴史、(2)最新の科学と精神医学の邂逅、(3)精神医学と芸術という、3方向からのアプローチが予告された。

(1)精神科の脈々と紡がれる歴史では、フロイト、ユング、グリージンガー、クレペリン、ブロイラーらの業績のほか、今日に精神医学に絶大な影響を与えたクレッチマー、ヤスパース、シュナイダー、呉秀三らの仕事にスポットが当てられる。

(2)最新の科学と精神医学の邂逅では、21世紀のBrain Stimulation療法など、患者の個別性に応じた治療の可能性が探られ、さらに領域を超えて「未来を守る」先駆者たちによる講演が予定されている。
予定されている演者は、田中耕一氏(分析・医用機器×アルツハイマー病)、岡野栄之氏(iPS細胞×精神神経疾患)、小林久隆氏(がん×光免疫療法)、尾身茂氏(COVID-19のこれまで×COVID-19のこれから)。

(3)精神医学とアートでは、従来の美術の価値観を否定したジャン・デュビュッフェらの視点に立ち、天才、狂気、精神疾患の関係に着目される。患者自身の多くの作品のほか、芸術家としては、佐伯祐三三島由紀夫などが取りあげられる予定だ。

第117回は総会会長の精神医学の歴史や芸術に対する関心が深く、先端技術と同様にこれらのテーマの重要性を強く認識していることからこうした特徴をもつ学術集会となった。

http://www.congre.co.jp/jspn117/

[2021.09.04]