RRSで院内急変させない

RRSで院内急変させない:スタッフのための実践マニュアル(症例から学ぶ)


2024年8月発売
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責任編集  野々木宏、武田聡、藤谷茂樹 2024年8月上旬発売予定
【A5判、96頁、総カラー、ペーパーバック、定価(2500円+税)

ISBN978-4-906502-56-1 C4037

JRC蘇生ガイドライン2020では、「院内心停止の発生や院内死亡率を減少させるために、Rapid Response System(Rapid Response Team、RRT/Medical Emergency Team、MET)の導入を考慮すること」ことが示され、実際にこれを導入した病院ではその効果が実証されはじめている。 RRS(Rapid Response System)は入院患者が入院中に急変し、生命の危機に瀕した場合の対応策として注目を集めている医療システムである。とくに患者の心停止は、院外・院内を問わず救命が困難となることが少なくない。今日、病院外の心停止に対しては、迅速な心肺蘇生(CPR)を実施することが標準化されているが、病院内における心停止の救命率救命率は30%以下とされ、従来、院内心停止への対策は十分ではなかった。

 本書は各病院においてRRSを実践するためのマニュアルとして企画された。効果的な求心路の実践、すなわち看護師や研修医などが現場での状態悪化を早期発見し、その状態に対して病院全体でスムーズに実践されることが必要である。看護師や研修医などがいかに気づいて、チームへ連絡できるかが重要であるが、それには体系化された病棟スタッフ全員のトレーニングが必須である。本書にはそのトレーニングの全容が示される。本書1冊でRRSの全容を理解することができ、各施設での取り組みの指針となり、施設基準をクリアするために必要な事柄が明確となります。スタッフ全員が1冊ずつ携帯することで、RRSに関するコンセンサスが醸成され、院内の患者安全に広く普及し役立てることを祈念しています。

【目次】
刊行にあたり(坂本 哲也)/序 文 (野々木 宏)
RRS概論:歴史、背景、海外の状況 (藤谷茂樹)
RRSを構成する4個の要素 ( 鹿瀬 陽 一)
患者安全のマネジメント 「Safety-I と Safety-II」 (中村京太)
診療報酬と課題 (安宅一晃)
症例(シナリオ)
パート1 RRS起動基準によるRRSの起動
  症例1 急変兆候の認識 (挾間しのぶ) 
  症例2 「何かおかしい」を言語化する (染谷典子) 
パート2  早期警戒スコアによるRRSの起動
  症例3 重要な徴候を見逃さない (武田 聡)
  症例4 気づきを躊躇せずに発信できる(富士田恭子)
パート3 様々な状況でのRRSの起動   
  症例5 有効なチーム間のコミュニケーション (印東真奈美)
  症例6 意識障害に対する対応 (足立晴美)
  症例7 緊急性の高い徴候を見逃さない (崎本聖美)
  症例8 終末期患者への対応  (貝沼光代)  
RRSの実際(約700床の中規模病院における1例) (鹿瀬陽一)
RRSの実際 ((約1000床の大学病院におけるた事例 )(挾間しのぶ) 
CCOTの実際 (約700床の中規模病院におけるた1例) (貝沼光代)
臨床現場における振り返り、デブリーフィングについて (万代康弘)
Rapid Response System / オンラインレジストリの有用性 (内藤貴基) 
 あとがき (武田 聡)

コラム ABCDアプローチ/ショックの5徴候/RRS起動基準/SBARとは/ RRSのチームはどのようなメンバー構成がいいですか/qSOFA/ 早期警戒スコア(NEWS2)について/ NEWS2 データの解釈/RRSのための訓練や教育は必要ですか?/NEWS2による患者のバイタルサインの測定間隔/TeamSTEPPS®[2チャレンジルール、CUS、CUSの参考例]/意識障害の評価方法[ACVPU、GCS、JCS]/脳卒中の可能性の評価方法[FAST]/上気道閉塞の徴候、STRIDOR/RRSとDNARのかかわり