書 名 ラカンは間違っている
副 題  精神分析から進化論へ
著 者 ディラン・エヴァンス  
訳 者 桜井直文監訳 冨岡伸一郎訳

ラカンの精神分析は治療技法として役に立つのか? 臨床家としての経験をもとに構造主義のタブーに挑戦。『ラカン派精神分析入門事典』の著者が厳しく問うラカン派学説の意義。


2010. 3   学樹書院

ISBN978-4-906502-34-9 C1010

四六/上製/96頁/税込定価1470円(本体1400円)


  目次 本書について 著者について 書評・その他


「ラカン派精神分析事典」の著者として知られる元ラカニアンによるラカン思想への痛烈な批判と決別宣言。ラカンの精神分析は臨床的に無意味なのか、ラカンは妄想に取りつかれていたのか。アメリカでカウンセリングを学んだ訳者が、客観的な立場から著者のラカン批判の妥当性について考える。「ラカンの奇妙な比喩の意味を理解しようとするうちに、彼のつかう小難しい言葉や言い回しは、彼が自身の考えに対して抱いていた迷いの表れであるということが明らかになっていった。他の注釈者はラカンを真似て曖昧さを大事にしたが、私はその靄を取り除き――たとえそれが、皇帝は裸であったという事実を目撃することになるとしても――表面下にあるものを露呈したかったのだ。」(エヴァンス)

 
目次

ラカンからダーウィンへ  

四年の後に  

カウンセラーの立場からエヴァンスを読む(冨岡伸一郎)。

著者について

ディラン・エヴァンス(Dylan Evans)

1966年英国ブリストル生まれ。ロボット工学,医学哲学,精神分析などの研究者。主な著書に『感情』(岩波書店), 『超図説 目からウロコの進化心理学入門―人間の心は10万年前に完成していた』(講談社)、「ラカン派精神分析入門事典」(未訳)ほか多数。現在,University College Cork, 医学部行動科学部門講師を務める。


監訳者・訳者 

桜井直文 (明治大学教授) 著書に『スピノザと政治的なもの』(平凡社)、 訳書にイリイチ『生きる思想 反=教育/技術/生命』、オング『声の文化と文字の文化 』(藤原書店)など。

冨岡伸一郎(カウンセラー) 現在、都内の路上生活者支援施設にて相談員として活動中。