本書について(カバー宣伝文)
ユング、ビンスヴァンガー、ボス、ミンコフスキーなどの逸材を育て上げる一方、疾患名「精神分裂病」を提唱し、分裂病概念の確立に大きな寄与を果たしたオイゲン・ブロイラーの手による伝統ある教科書。本書は国際的にも高く評価され、今日に至るまでマンフレッド・ブロイラーらによって14回の改訂が行われてきた。この日本語版は原書第15版の全訳。ヨーロッパ精神医学を知る上では看過できない名著である。
著者・校訂者・訳者について
* Eugen Bleuler (1875-1937) 1857年チューリッヒ近郊の農家に生まれる。1897-1927年チューリッヒ大学精神科(ブルクヘルツリ精神病院)第5代教授。クレペリンの早発性痴呆の概念を継承しつつも、連合心理学やフロイトの力動説を早くから取り入れ、精神分裂病の名称を提唱するほか、連合障害、情動障害、自閉、両価性など、多くの重要な精神医学的概念を確立した。著書は本書のほか『早発性痴呆または精神分裂病群』『医学における自閉的-無規律的思考とその克服』など。
** Manfred Bleuler (1903-1987) 1903年オイゲン・ブロイラーを父としてチューリッヒに生まれる。アメリカ留学、バーゼル大学医長を撃て1942年よりチューリッヒ大学精神科教授。1969年以後名誉教授。専攻は分裂病性精神病の長期・家族研究、内分泌精神医学、ロールシャッハ研究など。著書は『分裂病性障害』『内分泌精神病』など多数。E・ブロイラーの没後、『ブロイラー精神医学書』の改訂・編集に従事(第7版以降)。
*** きりかえ・たつや 1919年千葉県生まれ。北海道大学医学部卒業。1952年札幌医科大学助教授。1956年よりチュービンゲン大学に留学、エルンスト・クレッチマーに師事。1966年より岩手医科大学精神科教授。専攻は精神医学的性格学、大脳生理学など。著書に『多次元精神医学』『精神疾患の性格因』『精神医学的性格学』など。
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