第1回 公認心理師試験 問題と解説
渋井総朗・富田拓郎・山崎久美子
[A5判、並製、164頁、定価(本体1800円+税)ISBN978-4906502-44-8 C3011 2019年3月発行]
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本書について
長い道のりを経て、「公認心理師」と称される国家資格がわが国に誕生したのは約1年前のことであった。この間には多くの関係者のたゆまぬ努力があり、その積み重ねの結果、心理の仕事に従事する者に対しての国家資格化が実現したことを忘れてはならない。こころのケアの専門家を待望する国民の声も大きくなった。 公認心理師法施行(2017年9月15日)から1年以内に初回の試験を実施するという規則に基づき、第1回公認心理師国家試験が2018年9月9日に執り行われた。受験条件を満たせず次年度以降に受験資格を取得するに至る者や受験を急がない者も多数いる中、初回の試験に臨んだ者は3万5千人を超した。そして、その多くの者が合格を手にした。 彼らは、過去問題がまだない段階での受験者であり、飛び交う様々な情報に一喜一憂して果敢に挑戦した。大望の国家資格が真っ先に与えられた者は「海図」を持たないで航海に出たとも言えよう。波にのまれそうになった者や船着き場に戻ろうか迷った者も少なからずいたのではないだろうか。人は航海をする際、その行く先を照らしてくれる海図を用意するのが定石であり、物事を遂行する場合の作法でもある。 ここに海図に相当する「過去問題の解説書」を世に送る次第である。国家資格を取得するには長い年月をかけた準備期間を経るのが通常であり、プロフェッションゆえの前提や試練とも言える過程をスキップしてはならない。しかし現実問題としては、受験者なら誰でも順調な船出をするための海図を手にすることを望むものである。 受験の世界では、常に「過去問」はつきものであり、それなくして合格はありえないとまで言われる。まさに「過去問」に始まり「過去問」に終わるといっても過言ではない。試験直前に「過去問」を繰り返し解くのは受験者の合格のためのテクニックでもあり合格への近道でもある。ただし、「過去問」の価値は解説のクオリティにあり、解説には次なる問題への足掛かりや勉強のポイントが明示されてこそ意味をもつのである。わたくしたち執筆者は「過去問」の解説はいうに及ばず、受験を目指す少なからずの方々に役立つ情報や知識をできるだけ盛り込むことを目指して解説書の執筆に携わった。この一冊が合格を勝ち取ろうとする受験者にとっての必携の書籍になるであろうことを確信している。(著者)
主な内容
サイコロジカル・ファーストエイドの活用 児童虐待児の保護 スクールカウンセラーの連携 森田療法 心理学者と研究業績 エビングハウスの記憶実験 条件づけ 心理検査 心理学者と性格検査 成人の脳波 大脳皮質の機能局在 児童虐待の実態 社会的認知 集団心理 ライフサイクル論 バウムテスト P-Fスタディ ケース・フォーミュレーション ひきこもり支援 対象喪失に伴う悲嘆反応に対する心理的支援 障害受容のプロセス 心理学の構成概念 学習性無力感 パーキンソン症状と疾患 自律神経系の活動 パニック障害の併存症状 特別支援教育 産業保健 労働者の心の健康 公認心理師法 乳児の発達 注意欠如多動症の診断 せん妄の発症リスク因子 ゲートキーパーの自殺対策 解離性障害 問題行動への学校の指導 ワーク・ライフ・バランス憲章 いじめ防止対策推進法 障害者雇用促進法 アウトリーチで活用できる技法 重回帰分析 言語障害 発達研究法 面接技法 発達障害への支援 スーパービジョン 連携業務における秘密保持 病的窃盗と窃盗症の診断基準 ヒューマンエラー 認知行動療法 認知機能検査 教育現場のカウンセリング技法 裁判員裁判 緩和ケア 向精神薬の副作用 保護観察制度 医療法 精神保健福祉法 身体的虐待児への対応 退院希望への対応 発達障害重複児の見立てと対応 産業医から紹介された会社員への心理的支援 援助開始時の方針 生活習慣改善の心理的支援 筋萎縮性側索硬化症への心理的支援 癌終末期の精神症状 ひきこもりへの精神保健福祉センターの対応 学業不振 教師へのスクールカウンセラーの対応 保護者へのスクールカウンセラーの対応 非行へのスクールカウンセラーの対応 会社員へのキャリア・カウンセリング 初発精神病性障害 高齢者虐待への市の対応 自閉スペクトラム症への就労支援 発達障害のWAIS検査 うつ病社員への復職支援 地域連携 心理学史 心理療法の技法・手法 研究倫理 心理測定法 観察法 長期記憶 コミュニケーションと言語発達 基本感情 脳の解剖と機能 脳の解剖と機能 ピアジェの発達理論 アタッチメント障害 自閉スペクトラム症の特徴 幼児用心理検査 災害時の支援 依存と依存症 ストレスコーピング 被災者のこころのケア 知的障害 学校の援助サービス 少年事件の処理手続 ワーク・モチベーション研究 神経性無食欲症 軽症うつ病の心理療法 統合失調症の症状 アカシジア 親権行使の停止 少年院制度 心理職の行動規範 公認心理師法 MMPI 反応性アタッチメント障害 リーダーシップ論 労働者の心の健康 統計的仮説検定 フォーカッシング指向心理療法 TAT エビデンスベイスト・アプローチ 社会構成主義 原因帰属と学習方略 精神鑑定 DV防止法 クライエント中心療法 学校における心理教育的アセスメント 教職員へのコンサルテーション 自然災害直後のサイコロジカル・ファーストエイド 高齢期の心理学的適応 国際生活機能分類 特別支援教育における通級指導 心理療法 心身症 労働者の職場復帰支援 認知症 注意欠如多動症の併存障害 生活習慣と疾患 精神科医に紹介すべき症状 ストレスチェック制度 実験計画法 成人発達障害のテストバッテリー 面接の行き詰まり事例への心理的支援 作業同盟構築へのカウンセラーの対応 要介護のアルツハイマー型認知症への助言 過敏性大腸症候群への助言 会社員への健康管理室の対応 児童養護施設入所児への心理的支援 被虐待児への緊急対応 動機づけと学習 学級崩壊への学校の取組 いじめへの学校の組織的対応 複雑性悲嘆の心理的支援 アルコール依存症への関係者の対応 実験計画法 強迫性障害の行動療法 産後うつへの子育て支援のコンサルテーション 性暴力被害によるPTSDの症状 前頭側頭型認知症の症状